行方知らずのあの雲を見た
わたしの鱗はあなたに似ていた
舌は二つ、まぶたは眠らず
ぼやけたよもぎの香りがする
行方知らずのあの雲の下
わたしの心は火の粉に似ていた
靴はいらず、耳は知らず
冬の寝息を聞く
ブルーベルのベッドを滑った
春みたいだ
シジュウカラはあんな風に
歌うのか
海を知らず、花を愛でず、
空を仰ぐわたしは
また巫山の雲を見たいだけ
行方知らずのあの雲の下
あなたの鱗は日差しに似ていた
雨を知らず、触れて熱く
ぼやけたよもぎの香りがする
芽吹く苔のベッドを転がった
あの頃みたいに
カタバミはこんな風に柔いのか
春を知らず、花を愛でず、
風を舐めるわたしは
ただ海の深さを見たいだけ
あの大きな海を経れば
あの雲の白さを見れば
あなたとの夢の後では
他には ah-ah, ah-ah
ブルーベルのベッドを滑った
春になれば
ホオジロはあんな風に
笑うのか
海を知らず、花を愛でず、
空を仰ぐわたしは
ただあなたを見たいだけ
見たいだけ
行方知らずのあの雲の下
わたしの心はあなたに似ていた
舌は二つ、まぶたは眠らず
いつか見たへびに似る
